SEOとは?基礎知識から上位表示のための対策方法まで解説
HARUSAME
HISTORY
Vol.3
春雨の味わいの骨格は造りにあり
『5年先 10年先の酒質を見据え泡盛業界を牽引する酒造りの浪漫』
蔵元の徹氏は、ことのほか酒の味わい方と食との組み合わせや味わい方の順序にこだわりを持っています。 始めて接する人は此が春雨を飲むときの作法なのかと勘違いするほどです。けれどそこには、奥深い春雨の造りの秘密が隠されています。
ここではその味わいの秘密を解き明かしていきましょう。
①春雨にはあれだけのバリエーションがあるのに使っている麹は1種類である。
②麹の種類に変化を求めず。全麹だからこそ麹のハゼ込みのタイミングを見極めている。
実は沖縄で使われる黒麹は練り込みだからこそ澱粉質が少し含まれています。 この練り込みは粉末タイプよりもむら無く練り込んでいける特性を持っているので、むらを作りにくく、切り返しの行程がいくらか省けるのは利点ですが、 ここでは気が抜けません。 麹のきめ細かな管理を飛ばして大仕込みするとハゼ込状態の管理が難しくなるのです。
この工程は古酒向けに泡盛を造る時、各蔵元が心血を注ぐところです。
徹氏はここを見逃しません。全麹だからこそハゼ込みの度合いか味の深み所謂コクに関わってきます。 春雨には清酒と同じ麹室があり、かつその麹造りは蔵癖をつけない極めてクリーンで繊細な麹造りを目指しています。 その麹造りを極めコントロールする事で、商品毎の特性を生み出しています。
このことから春雨は麹造りが『全ての泡盛造りの始まり』といえます。
(泡盛業界でも若麹、老麹という表現はありますが、より細かい、ピンポイントのせめぎ合いが重要)
また、徹氏はアルコール度数の高低と泡盛の骨格は別の所にあると気付きます。アルコール度数が高いから骨格のしっかりした泡盛になる訳ではないという点です。
清酒にも通じますが、その骨格を形成する要素は、酸とアルコール度数の高低にも左右される苦みにあります。 酒の苦みの主成分はアミノ酸などと言われ、ほど良い苦みは旨味を補い、味わいに厚みを持たせてくれます。これが泡盛の骨格を作っている要素です。 ここに関与する酸度について考えると、泡盛ではクエン酸が酸の骨格になりますが、蒸留すると味わいとしての酸味は無くなっていきます。 これにより蒸留タイミングのもろみの酸の状態から、泡盛を口に含んだ時のインパクトと広がりは予想出来ます。これが蒸留によるアルコール度数とは別の味わいのファクターなのです。
『今だ』 その蒸留開始の合図は、目指している食との組合せに最適な酒を生み出す蒸留のタイミングであり、 春雨の味わいを決める天から授かった恵みの声なのかも知れません。
同時に、造った酒が「焼き物」にあうか、赤味噌白味噌の併せが決め手とも言われる照り焼きソースの『和風の照り』にも合うのか、 またまた大量のワインを使うとも言われる『牛丼のタレ』にも合うか。そこには色々な飲み手のシーンがよぎります。
ブルーチーズのような濃い味わいや香りの強い食材にも負けない『古酒成分に含まれる松茸オール』や、酒器への注ぎ香にみられる『チョコレートのような甘い香りと味い』との相性。 春雨は狙った酒質を確実に捉えます。
ここまで筆をすすめてきましたが、皆さんが不思議と思われることは存在しないでしょうか。
「なぜ春雨が同じ種類の麹、同じ種類の原料米、酵母も同じなのにその味わいを変えているか」
「どの春雨も春雨らしさを主張し、割水してもその骨格が変わらないのか」
コロナ禍で高濃度アルコールの製造が要請されたときの徹氏と宮国氏の秘話をお話ししましょう。


蔵元の徹氏は、出来上がった「不可飲の高濃度アルコールの試作品」を前に蔵人の宮国氏に対し、 「これは駄目だ、春雨はアルコールが何度になろうと春雨らしく美味しくなければ春雨ではない。やり直し」と言ったそうです。
宮国氏は『不可飲』と言うこともあり、飲まれることが無いのに味わいにこだわりを持っている事に衝撃受けたと言います。
HARUSAME
NEW LINEUP
×
TOP