業界初の「ピート」×「泡盛」へ
shimmerはこれまで、マデイラカスクフィニッシュやミードカスクフィニッシュなど、独自の魅力を持つカスクフィニッシュ製品をお届けしてきました。
そして今回、さらなる挑戦として、泡盛のカスクフィニッシュにおいて新たな一歩を踏み出します。
泡盛業界初のアイラ樽でフィニッシュをかけた樽貯蔵泡盛。古酒の甘い香りとピートのスモーキーさがどのようなハーモニーを作り出すのか、興味深い取り組みとなりました。
泡盛業界初のアイラ樽でフィニッシュをかけた樽貯蔵泡盛。古酒の甘い香りとピートのスモーキーさがどのようなハーモニーを作り出すのか、興味深い取り組みとなりました。
石垣島の八重泉酒造に製造を依頼
泡盛メーカー40数社の中でも樽貯蔵を行っているメーカーは数社とそれほど多くありません。
その中でアイラ樽との相性を考えた際に、候補に上がったのが石垣島の八重泉酒造でした。
八重泉酒造では『八重泉樽貯蔵』をはじめ『八重泉バレル』など、石垣島の中でも積極的に樽貯蔵泡盛の製品開発を行っている酒造所となります。
今回はそんな八重泉酒造にアイラ樽をお渡ししました。
樽に入れる原酒の選定から
アイラ樽が八重泉酒造に到着し、八重泉酒造の製造部内にて、どの原酒がアイラ樽でフィニッシュするにあたり最適か、検討を重ねました。
結果として、フレンチオークで6年貯蔵した原酒の利用となります。
保有している樽の中でもフレンチオークでの熟成はゆっくりであるものの、一方で口当たりの滑らかさと余韻が優れているため泡盛との相性を考え今回はフレンチオークを選定したということでした。
まずは「アイラ樽の水ぜんぶ抜く大作戦」から
カスクフィニッシュの作業を行うにあたり、まず最初に行うのが水抜きとなります。
これは、樽が届いてから作業するまでの間に空樽のまま保管していると木材が乾燥して縮んでしまうのを防ぐためと液漏れがないかの確認の為に予め水を張って置いています。今回はその水を抜く所から始まりました。
樽の液面を確認しながらポンプで水を抜いていく作業が続きます。途中、抜いている水の香りを嗅いでみると、水にもピート香が付いており不思議な体験でした。
フレンチオーク樽の原酒を作業タンクに移動
アイラ樽の水を抜いた後に、続いてフレンチオーク樽に入っている原酒を作業タンクに移していきます。
全ての原酒をタンクに移すのではなく、先ほど測定したアイラ樽の容量分だけタンクに移します。
作業タンクの原酒をアイラ樽へ
そして最後に作業タンクの原酒を空いたアイラ樽に詰めていきます。樽の中はもちろん暗いため、ホースの隙間からライト当てることで、入れすぎにならないよう液面を随時確認します。
ポンプの流量を調整しながら規定の液面まで原酒が入りきったのを確認し、最後に栓をします。
詰作業が終了、アイラ樽を保管庫へ移す段取りを進めて、今回の取材は完了しました。
まだ、この段階ではどのくらいの香り付けができるか、樽からの着色がどれだけあるのか未知数の状態です。
貯蔵の中で最終的にはリキュール品目でのリリースに
泡盛の樽貯蔵酒の製品化の際に気にする点が、品目を“泡盛”とするか“リキュール”とするか。いわば、光量規制の問題です。
今回は、八重泉酒造に「最終的な味わいの観点から、最も良い酒質が出せる品目を選択して欲しい」とオーダーしていました。そのため、フィニッシュをはじめてから都度状況を確認いただき、リキュール品目でのリリースがベストということで、製品化に至った経緯がありました。
こうした中で生まれた、業界初となる泡盛とピートカスクのフィニッシュ。
この機会にぜひ味わって下さい。
こうした中で生まれた、業界初となる泡盛とピートカスクのフィニッシュ。
この機会にぜひ味わって下さい。