史上初の清酒酵母花酒を作ろう!

与那国島で作られる“花酒”は60度という度数だけが話に上がりがちですが、高度数故に40度帯の泡盛にはない華やかな香りがあるのをご存知でしょうか。 通常は泡盛101号酵母によって醸される花酒ですが、過去に久米島の米島酒造で実施したshimmer#6のまほろば吟酵母の香りを踏まえ、新たに花酒でまほろば吟を使ってよりエステリーな香りを生み出そうとしたのが、この#22のきっかけとなります。
仕込みから通常と異なる香り

青森県からまほろば吟酵母を与那国島に送っていただき、仕込みが完了したところで実際に与那国島に訪れました。 101号酵母のもろみと比較しても明らかに香りが異なり、まさに清酒のフルーティーな香りがもろみから漂っています。
さっそく、蒸留工程へ

崎元酒造所では蒸留器に地釜式のものを利用しています。 この蒸留器にもろみをポンプで投入していくところから蒸留が始まります。 地釜ということからも分かるように、単純に大きな鍋のような形をしています。

こちらが最初にもろみを入れ始めた釜の様子です。

ある程度もろみが釜に入ると、バーナーで直接釜を熱します。これが直火式とも言われる所以ですね。 熱し始めて、そのままにしているともろみの中にある固形物が釜の底に溜まり、それから熱されて焦げ付きます。 焦げ付いた香りは泡盛においてオフフレーバーとなるため、加熱から30分以上釜の横でもろみをかき混ぜ続けます。

もろみへの加熱が進むと、湯気と一緒にアルコールも蒸発していきます。蓋をするタイミングも泡盛のアルコール収得に非常に影響があるということでした。

タイミングを見計らって、釜の横で吊られていた蓋を釜の上に移動して被せます。

蓋もただ被せるだけではなく、釜と蓋の結合部をボルトとナットでキツく締めていきました。

釜と蓋を固定した後、今度はネックを設置していきます。

ネックを蒸留器と冷却槽に接続すれば、後はメートルボックスの前で初留が出てくるのをひたすら待ちます。

しばらくするとメートルボックスに初留が流れ込んでいきます。地釜式蒸留器で行う始めての清酒酵母。崎元酒造所としても香りが気になるところです。

予想通り、エステリーな香りが漂います。 「オーッ」と崎元さんも今までの花酒にはない華やかな香りに衝撃を受けました。
蒸留が終わり、蒸留器の片付けを

ひとしきり蒸留が終わりカットを行いました。地釜式蒸留器は最後に片付けを行います。 まずはネックの接続を外し、釜と蓋のボルトを解除します。その後、クレーンで蓋を吊り上げていきました。

釜の中は先程まで加熱していたこともあり、モクモクと蒸気が上がっています。周囲を水で洗いながら釜の中身を処理していきます。

与那国のクバ巻仕様のshimmer

今回の崎元酒造所とのshimmerでは、与那国の泡盛の定番である「クバ巻」仕様でリリースしました。 普段は丸い瓶で巻くため、shimmerの角瓶に対応するのに数度の試作を経た特別仕様のクバ巻泡盛です。
与那国島のクバ巻職人によって1本1本丁寧に巻かれたshimmerをご自宅でお楽しみください。
与那国島のクバ巻職人によって1本1本丁寧に巻かれたshimmerをご自宅でお楽しみください。