十数年ぶりの高度数宮之鶴

一時期は、泡波と並び「幻の泡盛」と言われたという“宮之鶴”。今回、この宮之鶴を製造する仲間酒造とコラボ泡盛を製造しました。 実は仲間酒造さんには2022年頃に一度shimmerのコラボを打診していたのですが、当時は設備の状況等も含め難しいという返答でした。 しかし、2024年にもう一度打診したところ、OKが出たのです。
南島酒販営業からの白鶴錦アイデアが発端

では、なぜ仲間酒造さんに再度打診する企画があったのでしょうか。それは、南島酒販営業のからのアイデアでした。 南島酒販は白鶴酒造株式会社の特約店契約があり、沖縄県内では強いつながりがあります。 そして、白鶴酒造ではオリジナルの酒米「白鶴錦」を生産しています。
白鶴錦について (白鶴酒造公式HP)
そのことを知っていた営業から「白鶴錦を使用した泡盛を作ってみよう」という話が発端でした。 仮に白鶴錦が許可された場合、どこで泡盛を造るかが鍵となりますが、こうした原料米の変更が今までなく、「鶴」という共通点がある銘柄が宮之鶴だったのです。
早速、白鶴酒造さんに白鶴錦の使用について打診しました。結果として、白鶴酒造さんの社内でも検討いただきましたが、製造量の都合等から白鶴錦の供給は難しいという回答でした。 しかし、兵庫県特A地区山田錦であれば供給可能という提案をいただきました。
日本で最も山田錦生産量が多い兵庫県の中でも特A地区といえば、最高品質の山田錦が栽培できる条件が整っている地域で、そこで採れる山田錦は基本的に酒蔵と契約農家間で取引されるため、買おうと思っても買うことが出来ない代物です。
こうして白鶴酒造さんのありがたい提案から特A地区山田錦での泡盛製造が始まりました。
白鶴錦について (白鶴酒造公式HP)
そのことを知っていた営業から「白鶴錦を使用した泡盛を作ってみよう」という話が発端でした。 仮に白鶴錦が許可された場合、どこで泡盛を造るかが鍵となりますが、こうした原料米の変更が今までなく、「鶴」という共通点がある銘柄が宮之鶴だったのです。
早速、白鶴酒造さんに白鶴錦の使用について打診しました。結果として、白鶴酒造さんの社内でも検討いただきましたが、製造量の都合等から白鶴錦の供給は難しいという回答でした。 しかし、兵庫県特A地区山田錦であれば供給可能という提案をいただきました。
日本で最も山田錦生産量が多い兵庫県の中でも特A地区といえば、最高品質の山田錦が栽培できる条件が整っている地域で、そこで採れる山田錦は基本的に酒蔵と契約農家間で取引されるため、買おうと思っても買うことが出来ない代物です。
こうして白鶴酒造さんのありがたい提案から特A地区山田錦での泡盛製造が始まりました。
朝5時から浸漬と甑(こしき)を用意

仲間酒造さんに山田錦が搬入され、2024年11月に蒸米〜種付けの作業を行いました。 代表の前花さんは酒造所の運営をほぼ1人で行っており、仲間酒造は県内メーカーで最小と言って良い規模でしょう。蒸米自体は8〜9時頃から始める予定でしたが、仲間酒造の設備は地釜式。
前花さんは朝5時起きで、甑のボイラーとなる釜に火を入れ、山田錦を浸漬していました。
前花さんは朝5時起きで、甑のボイラーとなる釜に火を入れ、山田錦を浸漬していました。

浸漬後、甑(こしき)に山田錦を投入

白鶴酒造さんから頂いたデータも参考にしつつ、浸漬を行い蒸米のため甑に投入していきます。

前花さんも初めて触る山田錦、逐一状態をチェックしながら作業を進めていきます。

バーナーで熱されている釜は甑と接続されており、甑の底面からは蒸気が断続的に上がっていました。

甑に一定量の山田錦を投入すると、最後は表面を慣らしていきます。

最後に甑上部にカバーとなる布を被せていきます。当日は11月と沖縄でも涼しい季節ですが、甑の隣ではバーナーが着火されているため、酒造所の中は30度を超える暑さ。 その中で、米を何キロも人力で移動するという作業です。
蒸米が終わり、種付け工程へ

都度、蒸米中の山田錦の様子を見ながら、2時間ほど経ったところで蒸米が終わりました。米を製麹用の場所に移動する前に、バーナーを消し、地釜と甑を繋いでいたネックを外します。

その後、甑で蒸された米を製麹用の台に移動していきます。仲間酒造さんではプロセッサーを利用して米をバラけさせるようにしています。 しかし、山田錦とはいえやはり、タイ米より粘り気が強いことが気がかりになっていました。

タイ米の場合、プロセッサーを通すとパラパラと砂のような風合いになるそうなのですが、山田錦はところどころでダマになっており、スコップでほぐす作業が発生します。 甑から何度も往復し、100キロ以上の米を移動させつつ、米がダマにならないようタイミングを見ながらほぐしていきます。

ある程度米が積もってくると、底の方にある米が再びダマになってしまいます。 それをほぐすためにも手を入れてかき混ぜていきます。水を吸って重くなり、粘度も高いためワンオペ作業としても重労働でした。

米の状態が程よくなってきたところで米の表面に種麹を散布し、全体によく混ざるよう再び手を入れてかき混ぜていきます。

米全体に種麹が混ぜ合わさったことを確認し、保温のため板を被せていきます。これで製麹の種付け作業は終了となりました。
特A地区山田錦を利用した高度数宮之鶴に

数年前に代替わりをした仲間酒造さん。基本的にワンオペでの酒造所運営をしているため、生産量にも限りがある中ですが、初の高度数一般酒をリリースいただきました。
濾過についても、通常の宮之鶴より可能な限り粗く設定しています。
そして、今回の目玉はなんといっても特A地区山田錦を利用していること。 過去にも別のメーカーで山田錦を利用した泡盛自体はリリースされていますが、特A地区山田錦は泡盛業界で初めてではないでしょうか。
白鶴酒造さんのご厚意で実現できた企画だと思います、ありがとうございました。
こうして生まれた、宮之鶴×高度数×特A地区山田錦の泡盛。ぜひ、ご自宅で味わっていただければ幸いです。
濾過についても、通常の宮之鶴より可能な限り粗く設定しています。
そして、今回の目玉はなんといっても特A地区山田錦を利用していること。 過去にも別のメーカーで山田錦を利用した泡盛自体はリリースされていますが、特A地区山田錦は泡盛業界で初めてではないでしょうか。
白鶴酒造さんのご厚意で実現できた企画だと思います、ありがとうございました。
こうして生まれた、宮之鶴×高度数×特A地区山田錦の泡盛。ぜひ、ご自宅で味わっていただければ幸いです。