白百合イヌイから白百合アワモリ・サイトイへの挑戦
2020年、南島酒販株式会社では池原酒造株式会社(以下、池原酒造)の『白百合イヌイ』のコンペティションへの出品のお手伝いをさせていただきました。
結果として、『白百合イヌイ』はサンフランシスコ・ワールド・スピリッツコンペティション2021にて最優秀金賞を受賞し、焼酎部門の最高評価をも得るというこれ以上ない評価を残すことが出来ました。
そして、2023年にこの『白百合イヌイ』で世界的評価を獲得した池原酒造で、『白百合イヌイ』同様に黒麹菌の菌株に注目した『白百合アワモリ』『白百合サイトイ』の製造にチャレンジします。
特注した種麹で造られる白百合
現在では多くの酒造メーカーは『もやし屋』と言われる、種麹を育てて販売するお店から種麹を購入しており、泡盛メーカーの大半は沖縄県内で唯一のもやし屋である「石川種麹店」の種麹を利用した泡盛造りを行っています。
石川種麹店が通常のスタンダード品として販売する種麹は、黒麹菌の「アワモリ株」と「サイトイ株」を独自の比率でブレンドしたものであり、泡盛メーカーの希望によってその比率を調整しています。
そして今回は、この『白百合アワモリ』の製造のため、石川種麹店さんの協力を得て、サイトイ株100%の種麹を提供いただいたのです。
実際にサイトイ株の蒸溜を行ってみて
#2の白百合黒麹菌アワモリ株仕込でも触れたようにアワモリ株はクエン酸生成量が低いため、腐造のリスクが有りましたが、
サイトイ株については逆に言えばアワモリ株と異なってクエン酸生成量が多く、製麹の成功率という意味では安心していました。
しかし、実際の蒸溜を行ってみて、サイトイ株とアワモリ株の違いが見えてきました。サイトイ株は、アルコールの歩留まりがアワモリ株と比較して低いのです。
基本的には同時期に同条件で製麹したアワモリ株とサイトイ株ですが、サイトイ株は20%ほどアワモリ株よりも収得が低く、これが製麹における麹菌の特性の違いなのかもしれません。
ただ、ここで単純に「サイトイ株はアルコール収得量が低い」という判断はできません。比較対象が同一条件のアワモリ株だけですので、もしかするとサイトイ株に最適化された条件に変更すると、また結果は変わるのかもしれないのです。
次回は製麹条件に注目し、今回の「shimmer#3 白百合サイトイ」をベースにチューニングされた「shimmer#N 白百合サイトイ」を製造するのも面白いのではないでしょうか。製麹期間とアルコールの収得量、官能評価の関係性も見えてくるものになると思います。
白百合・白百合イヌイ・白百合アワモリ・白百合サイトイを是非
日本全国に多くのファンを抱える池原酒造さん。池原酒造さんのファンは「シラユリスト」と呼ばれ、『白百合』が持つ、独特の個性に魅了されました。
そして、今回shimmerではそんなシラユリストが魅了された池原酒造さんの持つ『白百合』の新たなキャラクターを模索すべく『白百合アワモリ』と『白百合サイトイ』を製造しました。
サイトイ株については先に触れたようにアルコールの収得量が低く、大量生産や安定供給が難しい『白百合』です。
特に造りの期間が近い、白百合・白百合イヌイ・白百合アワモリ・白百合サイトイが市場に流通するのは、まさに惑星の大接近のような、数年に一度の出来事でしょう。
この特別な白百合をお楽しみいただき、是非泡盛の奥深さを堪能ください。本製品は2023年3月以降に数量限定で販売予定となります、是非リリースを楽しみにお待ち下さい。
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