いままでにない『菊之露』を造るために
菊之露酒造の泡盛は『菊之露ブラウン』をはじめとして『V.I.Pゴールド』など沖縄県内外の居酒屋やスナックで広く親しまれる製品が数多くあります。 菊之露酒造自体も、多くの人にとって飽きずに飲み続けられる「ど真ん中のおいしさ」を目指した泡盛づくりをしており、 泡盛ファンの中にも”初めて飲んだ泡盛は『菊之露』だ”という方も数多くいるのではないでしょうか?
今回、shimmerでは初の大手メーカーとなる菊之露酒造と何が出来るかを考えた際に、彼らが今まで出したことのない『菊之露』を出そうと思いました。 ただ、大規模な菊之露酒造の設備を変更することなく、コアな菊之露ファンが欲しいと思える製品として企画したのが、このshimmer#8です。
44度、保安濾過、即瓶詰めした『菊之露』
今まで安定した品質の商品を出し続けてきた菊之露酒造。 そんな中で『菊之露』になる前の44度、そして保安濾過レベル※という工場にしかない、特別な泡盛を今回提供しようと考えました。 さらに、瓶詰めも蒸留当日に行い、言わば出来立ての『菊之露』の素です。この酒を寝かせて、割り水し、濾過を行うことで多くの泡盛ファンに愛される『菊之露』になるのです。
※保安濾過:shimmerでは「目に見える浮遊物等を取り除き、各メーカーが人体に影響がないと判断するなかでの最も粗い濾過度合」を保安濾過と称しています。
※保安濾過:shimmerでは「目に見える浮遊物等を取り除き、各メーカーが人体に影響がないと判断するなかでの最も粗い濾過度合」を保安濾過と称しています。
全て人力で行うという初の試み
瓶詰作業当日は多くの人手が要りますが、通常の製造もある中で人員割くことは出来ないため、那覇営業所から営業部のメンバーと製造の一部メンバーで作業を実施しました。 蒸留直後の泡盛を詰めるということで、待機時間中、我々の横では2台の横型蒸留器が蒸気を出しながら泡盛を造りだしています。
30分ほど待った後、出来上がった泡盛の検定が完了し、作業用タンクに移動する運びとなりました。 タンクにポンプを設置し、ホースの先端を作業タンクに移動させます。
菊之露酒造、はじめての保安濾過
菊之露酒造が近年リリースしている泡盛は、基本的には丁寧な濾過を行い、スッキリした味わいを生み出しています。 ただ、今回は目に見える浮遊物などを取り除いた限りなく無濾過に近い「保安濾過」
菊之露酒造の製造メンバーもどう濾過するか、手探りの状態から始まりました。
菊之露酒造の製造メンバーもどう濾過するか、手探りの状態から始まりました。
最初の案では虫取り網の使用も検討しましたが、流石に目が粗すぎるのでは?ということから却下。 一応、ネタとして作業場に虫取り網を用意しているところも菊之露酒造のアットホームな雰囲気が伝わると思います。
最終的に1次濾過として作業タンクへ移動するホースの先端にメッシュのフィルターを装着し、 瓶詰時の利用する漏斗にも2重にメッシュのフィルターをかけて、目視レベルの浮遊物を取り除けるようにしました。
蒸留直後の『菊之露』の味わいはいかに!?
フィルター類の設置が完了し、作業タンクに割水直後の泡盛を移動します。工場長の合図でポンプの電源が入れられ、泡盛が勢いよくタンクに流れ込みます。
ポンプの水圧によるノックバックでホースから放たれる泡盛が作業タンクから外れないように気をつけながら、数秒ほどで割水直後の濁りのある泡盛でタンクは一杯になりました。
この白濁した泡盛を前に、保安濾過・即瓶詰ということで、あまりにも癖が強すぎてコアなユーザーにも受け入れられるのか?という不安がよぎりながらも、まずは早速出来立ての『菊之露』の味わいを菊之露酒造メンバーと共にチェックします。
そもそもクリアな造りだった『菊之露』
品質チェックの結果は、、、、
一同「メチャクチャ美味いじゃん!」
菊之露メンバーも自社の泡盛の出来栄えに満足です。
一同「メチャクチャ美味いじゃん!」
菊之露メンバーも自社の泡盛の出来栄えに満足です。
確かに蒸留直後ということもあり、癖はもちろんあるものの、試飲メンバーもニッコリの美味しさ。 実は去年あたりから実験を繰り返し、酒質の改善に取り組んでいたそうで、クリアな酒質を追い求めた結果をダイレクトにこの蒸留直後の保安濾過で感じることが出来ました。
そして行われる瓶詰作業
作業タンクに泡盛を移し、いよいよ瓶詰作業が始まります。予め既成の菊之露ブラウンから720ml分の泡盛をshimmerの角瓶に移し、容器に対する水位の目安を作ります。
そのお手本となる角瓶を横において、作業タンクからたこ焼き用の器具を利用し、720ml分を入れていきます。
次の工程としてお手本の水位を目視しながら、720ml以上となるように微調整を行います。これを400本分全て手作業です。
容量を調整し、キャップを手締めし、ダンボールに詰める、という作業を繰り返しながら、参加メンバーの頑張りもあり、瓶詰を終えることが出来ました。
全ての瓶詰が完了後、翌日のラベル貼りの為に一時的に製品を保管し、作業タンクに残った泡盛は通常の製品ラインに戻すことで無事初日が終わりました。
2日目はシュリンクから始まった
翌日は集合した我々は、まず既存のシュリンク用設備を一部利用し、2人掛かりで透明キャップシールを付けていきます。
シュリンクを次々に出てくるラベルなし状態のボトルを見て喜ぶメンバーたち。
ここも手作業でのラベル貼り
シュリンクが完了したボトルを集め、shimmerのラベル貼りを行っていきます。 こちらも通常ラインのラベラーを利用できないため全て糊を使った手作業での実施。
ラベルがズレないように気をつけながら、メンバーで手分けしてラベル貼りとパッケージングを行います。
こうして出来上がった400本の『shimmer#8 菊之露 保安濾過仕上』
感無量です。
感無量です。
今回は数量限定ということで、蒸留以降の工程を全て人力で行うという大手メーカーらしからぬ、超原始的な手法となりました。 本来の菊之露酒造さんの工場は、機械化、オートメーション化された施設となり、人の手を介すことなく、高品質の製品を大量生産することが出来ます。 今回、このような全て手作業で行うという侠気溢れる企画を実行いただいたのも、幅広い層に泡盛を楽しんで欲しいという菊之露酒造、そして下地代表の想いからでした。
それでは『shimmer#8 菊之露 保安濾過仕上』是非お楽しみください。
それでは『shimmer#8 菊之露 保安濾過仕上』是非お楽しみください。