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価格:36,850円(税込)
2023年10月6日発売
PRODUCTS
甕仕込 kamejikomi
26年古酒分留ブレンド酒 B-side
ALC. 40%
容量:720ml
株式会社石川酒造場
分留担当者:平良 寛進
ブレンド担当者:石川 由美子

企画:古謝 雄基

原料米:タイ米(酒造組合)

酵母株:泡盛101号

黒麹菌株:石川種麹店通常株

蒸留器方式:横型(常圧)

貯蔵方式:タンク貯蔵

検定日:1997.2.13

検定日(再蒸留日):2023.6.6

原料米:タイ米(酒造組合)

酵母株:泡盛101号

黒麹菌株:石川種麹店通常株

蒸留器方式:横型(常圧)

貯蔵方式:タンク貯蔵

検定日:1997.2.13

検定日(再蒸留日):2023.6.6

STORY
ブレンド技術”について広く知ってもらうために
#11の記事では、古酒の分留について触れましたが、#12の本記事では後半のブレンドについてお伝えできればと思います。
今回の企画において、沖縄国税事務所の初代ブレンダーズ・オブ・ザ・イヤーを受賞した石川由美子さんを擁する石川酒造場としては「メーカーのブレンド技術もフォーカスする」というテーマがありました。 実はshimmer#11/#12とも、「26年古酒を再蒸留する」ということがセンセーショナルに取り上げられがちですが、製造という面においては「ブレンド」が非常に難しい案件でした。
100パターン以上のブレンド案を検討
今回のブレンドの原酒は十数種類となるため、まずは実機での蒸留の前に試留器で分割した泡盛でブレンドの方向性を決める作業から始まります。 shimmerチームからはブレンドするにあたり、2種類の異なる方向性の味わい、1つの分留前の原酒をベースに下としても、ブレンドで対象的な味わいに仕上げて欲しい、という希望を挙げました。 そこでまずは15種の分留した泡盛をテイスティングし、それぞれの特徴を分析していきました。
ブレンドする際の原酒数についてピンと来ない方は、年に1度開催される泡盛鑑評会の出品酒の情報を見るとイメージが付きやすいかもしれません。 多くのブレンドの場合は2~4種類の原酒をブレンドして味を整えられています。 しかし、今回は15種類の組み合わせパターンを検討する必要があります。15種の中から、2種類をつかうのか、15種類全部を使うのか... 数学的に総当りで考えると、膨大なパターン数になりますが、石川さんのノウハウからある程度絞り込み、方向性を絞っていくことになりました。 ただ、それでもその検討に数ヶ月間、100パターン以上を検証したということでした。 こうして、その中でもキャラクターが全く異なる2種類の泡盛のブレンドレシピを考案していただいたのです。
試作レシピと実機製造泡盛の微調整
#11の記事で紹介したように今回再蒸留し、15種類に分留した泡盛を実際にはブレンドしていきます。 前項で触れたレシピ案はあくまでも試留器規模でのレシピ、実機となるとスケール・機材の影響もあり原酒のキャラクターも変わっていきます。 レシピ案があるから、そのままの比率でブレンドするだけ、ではなく試作と本番のギャップを埋めるブレンド作業が始まります。
実機蒸留したブレンド元となる泡盛をそれぞれ用意し、まずは全てのキャラクターを把握しつつ、それらをピペットで取りながら小数点単位のブレンド比率を検討していきます。
この作業を1ヶ月ほど行い、試作レシピで出した方向性に近しい2種類のブレンド比率を作り上げることが出来ました。 こうして出来上がった#11/#12、前者は泡盛の古酒らしい華やかさ、後者はよりビターな味わいと全く異なる性格に仕上がっております。 「古酒の再蒸留」「単純な蒸留ではなく分留」「分留した泡盛のブレンド」という通常では考えられない希少性・手間の掛かり具合を考えると、今まで製造された泡盛でも唯一無二の2本となると思います。 是非、このshimmer#11/#12をお楽しみいただければと思います。
再蒸留に関する記事はshimmer#11 甕仕込 26年古酒分留ブレンド酒 A-sideにて記載しております。
VOICE

株式会社石川酒造場

マスターブレンダー

初代ブレンダーオブザイヤー受賞

石川 由美子

新たな酒質を求めて
"石川酒造場にない新しい味のお酒を造りたい。新しい酒質をブレンドしてみたい。 古酒ってどんな風味の組み合わせで成り立っているのか、甘い香りだけ取りだしたい" というブレンダーのわがままから始まった26年という古酒を再蒸留し、味を再構築するというチャレンジでした。 はじめて味わう酒質のブレンドは今までに経験が無いだけにとても難しく100通り以上のブレンドを行った、ブレンダーとして発見と勉強の良い機会になりました。
再蒸留の作業とブレンドは大変ですが、原酒を変えて行うことで新たな酒質を造り出す手法になればと考えております。
グラスに注ぎ、時間の経過とともに変化していく香り味わいを楽しんで欲しいですし、初めての手法で作りだされたこのお酒は今後どのように味が変化していくのか未知数ですので皆さんで変化をも守っていけたらと思います。

サイドAが軽やかタイプのためサイドBは泡盛古酒らしさをコンセプトにブレンドしました。
再蒸留した原酒で古酒らしさの表現は難しいと思っていましたが、飲みなれた古酒を目指したせいか意外とすんなりとブレンド出来ました。 再留液を15分画に分けたことで酒質の違う種類の原酒が出来ました。どの要素が混ざり合うと泡盛の特徴となる味になるのか、とても勉強になりました。
蒸留したばかりのお酒なのにシロップのような甘い香りが強く感じられ、味わいもしっかりと感じられる酒質です。こちらは空気に触れるとどんどん甘い香りが強くなりますのでストレートがおすすめです。
TASTING NOTE
Bar Tasting Clubオーナー
儀部 頼人 Yorito Gibu
蒸留酒界のブレイクスルー
今回のshimmer#11と#12は、初代ブレンダーオブザイヤー、石川由美子氏が手がけたからこその革新的な作品となりました。 いままでのshimmerシリーズ中、最も「メーカーから注目」された銘柄と言っても過言ではありません。 その証拠に、先日開催された南島酒販主催の酒類展示会にて、他のメーカーがこぞって試飲したのがこの#11と#12でした。 石川酒造場は「古酒を再蒸留」し、しかも16のクラスターに分留、その卓越したブレンド技術で「再設計」するという前代未聞かつ高度なテクニックが要求されるプロジェクトをやってのけたのです。 しかも26年古酒という神聖不可侵な大古酒を用いて。 では#12 side Bをテイスティングしてみたいと思います。

【香り】
インパクトは弱めの穏やかな立ち上がりから始まり、塩キャラメルと薄いシークァーサージュースが交互に織り交ざる不思議な香り波を愉しめます。 そのごに旨味を予感させるスーチカー(※豚肉の塩漬け)の様な香りが立ち始め、その後にやはり黒糖とスナック菓子の香りが織り交ぜる様な心躍る香りを愉しむことができます。

【味わい】
おとなしめな香りとは裏腹に、厚みのある豊かな古酒感を感じることができます。 メイプルシロップ、バニラ、キャラメル等、甘みを添加しているでは?と疑ってしまう程の濃厚な味わい。 これぞ大古酒の満足感。そして永遠に続く様な余韻。秋の夜長を贅沢に楽しめる仕上がりになっていると思います。

20年超の古酒になると、あまりにも自己主張が強く、一般ウケしない酒質に育つ事もしばしばあります。 そういったデッドストックになるかもしれない古酒を、古酒香をそのままに最高のバランスに再度酒質を組みなおし、 ユーザーに提供できる手法が確立した、まさにブレークスルーの瞬間に立ち会えたのは私にとってはこの上ない喜びでした。 16のクラスターの全てをテイスティングしましたが、一番の驚きは「最後に残った度数0の液体」でした。まさに黒糖の香りそのもの。 なのに全く味がないという、不思議な体験をさせて頂きました。
泡盛マイスター (2018年技能競技大会内閣総理大臣賞受賞)
浦添 智美 Satomi Urasoe
~古酒の香り味わいが濃厚に感じる極上の逸品~
古酒の再蒸留?2,000 万?15分割を多種多様にブレンド?一度分解して再構築?どういうこと?と泡盛界隈がざわついた。 泡盛のイノベーション!と県内マスメディアが大きく取り上げ、県内2紙が特集記事を掲載した。 泡盛に興味を示さない人達も記事やテレビ報道を見入って、どんな味わいなのだろう?どう変わったのだろう?飲んでみたいと興味津々な声が響いた。 これこそが shimmer プロジェクトの醍醐味でしょう! メーカーさんが shimmer プロジェクト通して、やってみたかったことを臆することなくどんどん挑戦して新しい価値を生み出していく。 そんな環境って改めて素晴らしいなぁと思います。
初代ブレンダー賞を受賞した石川氏が「100種類超えのブレンドを試作した」という大注目の#12 再蒸留『甕仕込 26 年古酒分留ブレンド B-side 』をテイスティングさせていただきます。
#12 は 15 分割した NO.1、4、7の初留部分を 45%、NO.10、11 の中留部分を 15%、 NO.14、15 の後留部分と残渣で 40%の割合とした構成となっていて無加水なんだそう。

【香り】
香りの立ち上がりがとても穏やかで、しばらくするとガムシロップ様の香り、白ぶどうの香り、キャラメル様の香り、甘酒様の香りもする。

【味わい】
キャラメリゼしたフロランタンや黒糖飴のような濃厚な甘さが口中に広がり余韻が長い。 全体的印象は、再蒸留したから古酒とは言わないですが、何故か円やかな甘さが古酒らしさを感じる泡盛だと思います。 クリームチーズのたまり醤油漬をお供にチビチビとストレートで頂きたい。

ブレンダー石川氏の再構築した技術を堪能できる希少価値が高い極上の一品です
DISTILLERY
株式会社石川酒造場
〒901-0232 沖縄県中頭郡西原町字小那覇1438番地1 >>MAP
TEL:098-945-3515
WEB:http://www.kamejikomi.com/
昔ながらのもろみ甕仕込み製法を採用し職人の技術と手間隙をかけて仕込みを行う伝統的な泡盛造りにこだわる一方で、 泡盛を蒸留した後に残る酒粕から得られるもろみ酢の商品化やクラフトジンなどの商品開発にも取り組んでいます。 酒類鑑評会などでも多くの受賞をする他、泡盛鑑評会において初代「泡盛ブレンダー・オブ・ザ・イヤー」に選出されるなど、 高度なブレンド技術を持つ酒造所です。
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