諸君 私は泡盛が好きだ
諸君 私は泡盛が好きだ
諸君 私は泡盛が大好きだ
ということで、はじまりました。仕事1割趣味9割でお酒好きの泡盛マイスター、不良社員千葉がお届けします、『諸君、私は泡盛が好きだ』のコーナー。徒然と泡盛と沖縄に対する愛を語らせていただければと思います。
今回は、「やんばるの泡盛でちむどんどん編」ということで、2021年の世界自然遺産への登録やNHKの連続テレビ小説で注目の集まっている沖縄県北部:やんばる(山原)地域の泡盛を独断と偏見でご紹介させていただきます。魅力的な自然や文化、美味しいものがいっぱいのやんばるをバーチャルドライブと洒落こみましょう。
"やんばる"について
そもそも、やんばるとはどこか。これ、本が1冊書けちゃうくらい奥深いテーマでして、ここでは深入りはしませんが、やんばるを漢字で書くと『山原』。
山(やん)はそのまま山、原(ばる)は耕作地を意味します。琉球王国の中心だった首里から見て、山と畑がいっぱいの北の方ぐらいのニュアンスの言葉なので、やんばるという言葉が指す地域は時と場合と人によって変わってきます。今回は、やんばるの玄関口として賑わう名護市以北の泡盛をご紹介させていただきます。
名護市:ヘリオス酒造
さて、そんな蘊蓄を聞き流しながら沖縄高速道路を降りるとそこは名護市許田。綺麗な名護湾の海が広がります。許田には数ある泡盛メーカーさんの中でも個性的な、ヘリオス酒造さんがあります。
名護市は沖縄の中でも名水で知られた土地。オリオンビールさんも名護市の工場でオリオンビールを作られていますし、その名水から美味しい泡盛が各酒造で造られています。ヘリオス酒造さんはその中でも、元々ラム酒の製造からお酒造りを始められた珍しい蔵元さん。現在でも、泡盛・ラム酒・ウイスキー・ビールなど様々な種類のお酒を造られています。
泡盛メーカーでもここだけ!
銅製ポットスチルでの蒸留
ヘリオス酒造さんの泡盛は、数ある泡盛メーカーさんの中でもここだけ!銅製の単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留されています。ウイスキーなどの洋酒の製造でよく使われる銅製のポットスチルは、銅が触媒として働き不快な香りの原因になる硫黄化合物を吸着したり、フルーティーな香りの素になるエステルを増加させてくれる働きが期待できるといいます。ヘリオス酒造さんは、独自のポットスチルで泡盛だけではなくラムやウイスキーなど様々な蒸留酒を造られています。
ヘリオス酒造さんおすすめの泡盛
『くら三年熟成古酒25度』
ヘリオス酒造さんの洋酒造りのノウハウが生んだオススメの泡盛は「くら 三年熟成古酒 25度」。樹齢70年以上の北米産ホワイトオークを原木に造られた専用の樫樽に、ポットスチルで蒸留した泡盛を詰め3年以上熟成された泡盛を原酒に造られた古酒(くーす)の泡盛です。
バランスがよく柔らかな樽香とバニラの甘い香り、25度と若干低めな度数に仕上げられている為、優しい口当たりは泡盛初心者の方にもオススメです。千葉社員イチ押しの飲み方は『くらハイボール』、ハイボールにすることで甘い樽の香りをより強く感じることが出来ます。洋食や味の濃い居酒屋料理との相性もバツグン!海辺でBBQをしながら、お肉と一緒に楽しくワイワイお酒を飲む時にオススメしたい1本です。
名護市:津嘉山酒造所
ヘリオス酒造さんを後にして、名護市の中心に向けて車を北上。津嘉山酒造所さんへ向かいましょう。賑やかな名護市街地の外れ、静かな路地の一画に津嘉山酒造所さんはあります。
酒造所に到着すると美しい赤瓦の建物と立派なお庭の黒木の大木が目を引きます。津嘉山酒造所さんは1924年頃に沖縄本島北部で初めて泡盛の製造免許を取得したという歴史のある酒造所、1928年に竣工した酒造所兼住宅は、現存する沖縄の赤瓦の木造建築としては最大級で2009年6月には国の重要文化財に指定されました。
津嘉山酒造所さんでは、杜氏の秋村さんがほぼ御一人で製造を担当されています。泡盛造りのこだわりについて尋ねると「うちの酒造所にはこだわりが無い」と笑う秋村さんですが、泡盛造りに向き合う姿勢は真剣そのもの。一つ一つの工程を丁寧に丁寧に造られる津嘉山酒造所さんの泡盛「國華」は王道の本格派泡盛の味わいでありながら、まろやかでとても飲みやすく「泡盛は苦手だけど不思議と國華は美味しく飲める」という県内外のファンも多くいます。
杜氏の秋村さんが丁寧に泡盛造りや酒造所・名護の歴史を解説してくださる津嘉山酒造所は、ここ数年沖縄の文化を知ることのできる新たな観光スポットとして人気急上昇中。秋村さんの歯に衣着せぬ真っ直ぐな人柄も人気の秘密で、沖縄県内外から泡盛ファンが集います。津嘉山酒造所・國華から泡盛の魅力に目覚める人も急増中。お酒好きには外すことの出来ない沖縄のホットスポットです。
まず飲んでいただきたい1本『國華30度』
そんな津嘉山酒造所さんの泡盛でまず飲んでいただきたい1本は「國華 30度」。最もスタンダードな一般酒ですが、丁寧な仕事で造られたその味はお米由来の甘さとオイリーなコクをしっかりと感じることができる一方、後味はスッとキレ若干スパイシー、正に泡盛の王道中の王道を行く味わい。泡盛初心者でも美味しく飲んでいただけますが、様々な泡盛を飲んだ後に國華に帰ってくるといつもその完成度の高さに驚かされます。
オススメの飲み方は水割り。オイリーな國華の酒質はしっかりと伸びが効き、薄い水割りにしても味わいを崩さずお好きな度数で楽しむことができます。決して食事を邪魔せず和・洋・中どんな料理にも合うオールマイティな國華、千葉社員イチ押しのペアリングはタコスやタコライス。タコスミートのスパイシーなお肉の脂、トマトやレタスの爽やかさと國華の水割りの相性はバッチリです。
さて、こんな感じで進めてまいりました、「やんばるの泡盛でちむどんどん編」いかがでしょうか?次回もやんばるの魅力ある名所をお届けします!
それではまた!