泡盛のおいしい飲み方を泡盛・古酒専門店マスターが解説 / bar tasting club編
沖縄の蒸留酒である「泡盛」。
挑戦してみたいと思いつつ「どのように飲めば美味しいのか分からない!」という方も多くいると思います。
当サイトではそんな方の疑問に答えるため、過去には沖縄県内のバーテンダーによる泡盛の飲み方記事を執筆しました。
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泡盛の飲み方を沖縄のバーテンダーが徹底解説 / bar stir laboratory編
今回の記事では、泡盛・古酒専門店bar tasting clubのマスター、儀部頼人(ぎぶよりと)さんに、美味しい泡盛の飲み方を取材しました。
泡盛の本場、沖縄での美味しい飲み方が気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
取材協力:bar tasting club 儀部頼人氏
那覇市泉崎1丁目にある蒸留酒・古酒専門店『bar tasting club』マスター。
ウイスキー文化研究所が主催するアジア最大級の蒸留酒品評会、東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2024の焼酎・泡盛部門における審査員を務める。
カメラマンとしても活動しており、店内ではマスターがドローンで撮影した県内各所の酒造所の動画を見ることが出来る。
■X:【泡盛】バーテイスティングクラブ
■Instagram:bartastingclub
泡盛専門店マスターがおすすめ!美味しい泡盛の飲み方3選
今回の企画でマスターが選んだ泡盛は、次の3種類です。
まずはそれぞれを選んだ基準を聞いてみましょう!
『ロックについては、ボディの強さ。しっかりしたボディ感があって、できれば余韻が長い銘柄が良い。その中でも好きな恩納酒造所の萬座を選びました。』
『炭酸割りは割っても泡盛らしい味わいがあるものを選びました。伊是名酒造所の常盤古酒 30度は、ポピュラーな度数ながらも比較的入手しやすいボトルなので。』
『常盤古酒は炭酸で割っても個性が残り、酒質も泡盛の旨味をしっかり感じられると思います。』
『水割りは水で味が薄まらないようなものとして津波古酒造の太平ゴールドを。萬座同様にロックでオススメしようかと思いましたが、水で割って低度数になっても旨いということで、水割りで紹介します。』
『太平ゴールドは数十年の仕次ぎ(熟成を重ねた泡盛にそれよりも若い泡盛を注ぎ足し、永遠に熟成に耐えられる酒質を保つこと)が行われており、古酒という表記だけですが実際は30年古酒も入っています。また、杜氏さんが亡くなったことで暫く操業が止まっていましたが、最近復活した話題の蔵ということでも紹介しました。』
それでは、チョイスした泡盛の理由を聞いたところで、実際の作り方を見ていきましょう。
ロックの作り方
ロックを作るにあたってマスターが用意したのが、陶芸家の島武己氏による“やちむん”のぐい呑。
今回は泡盛の素性に合わせて無骨な陶器を用意したそうです。
それでは実際に泡盛を注いでいきます。
ロックの場合、できれば丸氷が良いそうですが、家庭にあるかち割氷でも代用できます。
ただし、出来るだけ大きめの氷を選ぶようにしましょう。小さい氷の場合は、すぐに溶けてしまい水っぽい仕上がりとなってしまいます。
最後にステア(軽くかき混ぜること)をしますが、今回は陶器で内側も湾曲しているためそこまで回せません。
通常の硝子のグラスであれば、2〜3回程度ステアすれば大丈夫です。
こうして萬座10年古酒のロックが出来上がりました。
ロックグラスではなく、沖縄のやちむん(焼き物)で飲む泡盛も風情があってより一層美味しく感じます。
炭酸割りの作り方
続いて常盤古酒で炭酸割りを作っていきます。
今回は厚手のグラスとなりますが琉球ガラスのタンブラーを用意しました。グラスを冷やすために、予めかち割氷を入れています。
まずはグラスに泡盛を注いでいきます。
泡盛を注いだ後は軽く氷と泡盛をステアして馴染ませていきます。
その後、炭酸水を用意して…
勢いよくグラスに注ぎ込んでいきます。
ポイントは「氷とグラスの壁の間ギリギリに注ぐこと」
炭酸水を注ぐ勢いを利用して混ぜ合わせることでステアは行いません。
最後に炭酸の瓶口で軽く氷を動かす程度で終わらせます。
炭酸水を注いだ直後は表面が泡立っていますが、すぐに落ち着きます。
これで常盤古酒の炭酸割りが完成となります。
ちなみにマスターの儀部さんは当サイトでも別記事で泡盛ハイボールの特集記事を執筆されています。
気になる方は是非こちらもお読みになってください。
目からウロコの泡盛の飲み方を教える地元民ですが何か?:泡盛ハイボール編
水割りの作り方
最後に水割りの作り方を見ていきましょう。
用意したグラスは、炭酸割り同様に少し厚めの琉球ガラスのグラス。こちらも予め氷を入れておきグラスを冷やしています。
この冷えたグラスに泡盛を注いでいきます。
泡盛を注いだ後は、こちらも今まで同様、氷と馴染ませるため数回程度ステアを行います。
ステアの後に、氷とグラスの壁の間から水を注いでいきます。
炭酸割りの際と異なるのは後でステアを行うので、勢いよく注がないこと。
そして最後にステアを行います。水割りはこのステアの回数が季節によって異なるそうです。
夏は“水割りをどれだけ冷やすか”ということを重視し、15回ほど行うことでキンキンに冷やします。逆に冬場は5回程度で、泡盛と水がマーブルの層状になることをイメージしているそうです。
そして太平ゴールドの水割りが出来上がりました。
泡盛の美味しい飲み方:まとめ
今回は、泡盛専門店のマスターがおすすめする泡盛の美味しい飲み方をご紹介しました。
蒸留酒・古酒専門店マスターによる泡盛の美味しい飲み方、非常に参考になりますね。それでは最後に今回の作り方を以下におまとめします。
水割り | 炭酸割り | ロック | |
オススメの泡盛の傾向 | ボディ感があり、余韻が長いもの | 炭酸で割っても泡盛らしい味わいがあるもの | ボディ感があり、余韻が長いもの |
氷 | かち割り氷でもOKだが、グラスを冷やす | かち割り氷でもOKだが、グラスを冷やす |
出来るだけ大きめの氷 小さい氷はNG |
割材の注ぎ方 | グラスの内側と氷の間からゆっくりと | グラスの内側と氷の間から勢いよく | ー |
ステア |
夏場:15回程度 冬場:5回程度 |
なし | 2~3回 |
沖縄在住の現役バーテンダーがおすすめする泡盛の飲み方については、以下の記事を参考にしてください。
『泡盛の飲み方を沖縄のバーテンダーが徹底解説 / bar stir laboratory編
上記の記事を読んだ方はお気づきかもしれませんが、やはりお店毎に作り方は全然違いますね!
あなたの気になった様々な飲み方を、是非自宅でお試ししていただければと思います。
なかには「飲み方は分かったけど、それぞれの飲み方と相性の良い泡盛ってどういった泡盛があるの?」という方もいらっしゃると思います。
当サイトでは、以下の記事でそれぞれの飲み方に適したおすすめの泡盛も詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【炭酸割りでおすすめの泡盛!厳選 7 種類を地元沖縄の酒屋が紹介します】
https://shimmer.okinawa/blogs/playlist/recommend_tansan
【水割りでおすすめの泡盛】
https://shimmer.okinawa/blogs/playlist/recommend_mixedwater
【ロックでおすすめの泡盛】
https://shimmer.okinawa/blogs/playlist/recommend_rock
泡盛を様々な割り方で楽しんでみてくださいね。
それではまた!